退職者による情報漏洩の刑事告訴・民事訴訟:企業が勝訴するための成功事例と注意点
元従業員による営業秘密や顧客情報の持ち出しは、企業の存続を脅かす行為です。企業が損害を回復し、再発を防ぐためには、民事訴訟(損害賠償・差止請求)と刑事告訴(不正競争防止法違反など)の両面から法的措置を検討する必要があります。本記事では、情報漏洩事件における法的措置の成功事例と、企業が告訴・提訴に踏み切る際の決定的な注意点を専門的に解説します。
企業が取るべき法的措置の二本柱
法的措置の二つの柱
① 民事訴訟(損害の回復と防止)
- 目的: 損害賠償請求、情報利用の差止請求、情報廃棄請求。企業の経済的損失を回復し、情報拡散を食い止める。
- 求められる証拠: 情報持ち出しの事実、その情報が「営業秘密」に該当することの証明、および具体的な損害額の算定。
② 刑事告訴(制裁と強い抑止力)
- 目的: 不正競争防止法違反(営業秘密侵害)や窃盗罪などで元従業員を告訴し、刑事罰による制裁と強力な抑止効果を得る。
- 重要性: 警察・検察による捜査は、企業では得られない強制力を持つため、証拠の確保が圧倒的に有利になる。
訴訟で勝訴するための決定的な要件
営業秘密の「3要件」の立証
不正競争防止法が保護する営業秘密であると法廷で認められるためには、以下の3つの要件を企業側が立証する必要があります。
- 1. 秘密管理性: 持ち出し情報が「秘密である」ことを従業員に明示し、アクセス制限などの物理的・技術的な管理措置を講じていたか。(例:PCへのログイン制限、秘密文書への"マル秘"表示)。
- 2. 有用性: その情報が、企業の事業活動にとって客観的に価値があり、実際に利用されていたか。
- 3. 非公知性: 業界内で一般的に知られていない、または容易に入手できない情報であるか。
デジタルフォレンジックによる証拠保全の成功事例
退職前のPC利用ログ、メールの送受信履歴、USB接続記録などのデジタルデータを、改ざん不可能な状態(ハッシュ値)で保全した結果、持ち出しの事実と時期を立証し、民事訴訟で勝訴に繋がった事例は多数存在します。デジタルフォレンジックは、この種の訴訟における不可欠な工程です。
💡 刑事告訴の最大のメリット
企業が単独で行う民事訴訟のための調査と比較し、刑事告訴が受理された場合、警察・検察による強制捜査(家宅捜索、通信記録の開示請求など)が行われるため、**情報漏洩の決定的な証拠(持ち出し先の特定など)**を確保できる可能性が飛躍的に高まります。訴訟移行時の実務上の注意点
法的措置を取る前に、内容証明郵便等で**情報利用の停止と返還を要求**し、行為者側に**弁明の機会**を与えることが、後の訴訟手続きを円滑に進める上で重要です。
刑事告訴で提出した証拠と、民事訴訟で主張する事実関係に矛盾がないように、弁護士と調査機関(探偵事務所)が緊密に連携して、一貫した法的戦略を立てる必要があります。
民事訴訟で勝訴しても、損害額を立証できなければ賠償金を得られません。**逸失利益、調査費用、信用回復費用**など、算定に必要な資料を事前に準備し、厳密な根拠を示すことが求められます。
連携ピラー:不正調査の証拠能力と法的手続き
📚 不正調査の証拠能力と法的手続きガイド(7.0.0.)
刑事告訴や民事訴訟に移行する全ての段階において、提出する証拠が法廷で有効とされるためには、「証拠の関連性」「証拠の真正性」「証拠の適法性」の3原則を満たさなければなりません。これらの法的な基本原則と具体的な手続きについては、 不正調査の証拠能力と法的手続きガイドをご参照ください。 不正調査の証拠能力と法的手続きガイドの詳細はこちら →情報漏洩は「時間との勝負」:法的措置の前にご相談ください
内部調査が難航している、あるいは調査結果の客観性に懸念がある場合は、三河探偵事務所にご相談ください。当社は、元内部監査室の経験と高度な調査技術により、公正かつ法的に有効な報告書作成を支援します。※ご相談内容は秘密厳守を徹底し、外部に漏れることは一切ありません。 【所在地】 〒471-0034 愛知県豊田市小坂本町1丁目5−5 YAMATO BLDG 2F(豊田市駅 徒歩3分)